ちょっとした喧嘩。僕もあいつも負けは嫌だから、意地になって勝負を付けようと、ちょっとした競争をした。
僕らのリーダーはちょっと苦笑していたけれど、引き分けだったらお互い大人しく謝る事を条件に、後で答え合わせをしてくれると約束してくれた。
高く高く僕らは飛んで、一生懸命数を数えた。なんで喧嘩してたか覚えてないけど、それはもうどうでもいいや。
世界にある土地の数を、正しく数えられた方が勝ち。ってことになってた。
「世界には、13の土地がある。ちゃんと数えてきたんだ。」帰ってきてからあいつが言った。でもそれは間違いだ。
「水の上に浮かんでいるのは13だけど、僕等はその上に浮かんでいる土地に住んでるんだから全部で14だ。」
そう言ったらリーダーは、それも間違いだと言った。「あなた達は上からしか見ていないのね。もう一度外に行ってみてご覧なさい。」
言われたとおり外に出てみた。上から見てみつからなかったんなら下にあるのかと思って、今度はただ横に遠くまで飛んでみた。
そうしたら、僕らの住処の下の所に小さな家と土地があった。なんでかしらないけど、僕等の家と棒で繋がってる。
そういえばまだ飛べない頃に母さんが、
「ナルリオが飛べるようになったとき、もしももの凄く長い間帰って来られなくなっても大丈夫。」
と言っていたのを思い出した。
「デルタレータで此処とアリシアとが繋がっている限り、この場所は動かず此処にあるから。」
僕らの家は昔は勝手に動いたそうだけど、デルタレータって呼ばれてる三つの棒でアリシアっていうのと繋がってからはそこに止まるようになったんだったっけ。
ついでに、デルタレータの先を、覗き込もうとしたことがあったけれど、危ないからと何時も守番しているオジサンに止められてた事も思い出した。
「時々登ってくるから、顔出したら挟まれるぞ」って。その時は何が?とは聞かなかったし気にしてもいなかったけど。
僕はこっち側から、あいつは向こう側から、そこを見ながらしばらく飛んでた。
そのうちに、家から誰か出てきたので、慌てて僕らは家まで帰る。
結局、土地の数は15だったわけだ。

仕方ない。勝負は引き分けだ。約束だから、あいつに謝りに行こう。









一度オリジナルの世界書いてみたかったんですよ。位置的に、浮いてる土地の下の土地が中心部になります。













































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